最近では、日本でもスキンケアやメイクアップに関心のある男性が増えており、メンズスキンケア製品の使用も一般的になってきました。
普段から、化粧水や乳液、クリームなどを使ったスキンケアを心がけているメンズも多いと思います。
日本に浸透しつつあるメンズスキンケアですが、海外の事情はどうなっているのでしょう。
メンズスキンケアはどこの国でも当たり前になっているのでしょうか、それとも、日本の男性に特有のものなのでしょうか。
今回は、日本と海外のメンズスキンケアに対する意識の違いを比較してみました。
日本男性のスキンケア意識はどうなっている?
まずは、日本の男性がスキンケアにどのような意識をもっているかみていきましょう。
メンズスキンケアをしている人の割合は?
株式会社マーケティング・リサーチサービスによる20代~30代男性を対象とした2021年の調査では、20代以上の男性で「顔のスキンケアをしている」人の割合は73.5%で、20代では80%と最も高くなっています。
(参考:「男だって当たり前!?社会人男性のスキンケアについて調査してみた」)
また、スキンケアの回数では、どの年代でも「1日1回」と答えた人が一番多く、1日1回以上スキンケアを行う人の割合はすべての年代で50%を越えています。
特に20代は69.5%と最高で、若い世代ほど、メンズスキンケアが習慣化しているといえるでしょう。
一方で、「顔のスキンケアはしていない」と答えた人は20代で20%、30~40代でも30%程度でした。20代で5人の1人、30~40代では3人~4人に1人の割合で全くスキンケアの習慣がない人がいるようです。
ただ、どの年代でも少数派になっており、日本における男性のスキンケアに対する意識が高まっているのは確かといえるでしょう。
メンズスキンケアに使うアイテムは?
続いては、メンズスキンケアにどんなアイテムを使っているかをみていきましょう。
よく使われるアイテムベスト3は以下の通りです。
- 洗顔料(76.3%)
- 化粧水(53.6%)
- 乳液、クリーム(31.8%)
どの年代でも最も高くなっているのは洗顔料ですが、20代では「化粧水(59.2%)」「美容液(26.3%)」をはじめ、多くのアイテムで他の年代の使用率を上回っており、スキンケア意識の高さがうかがえます。
ただ、どの年代でも洗顔料以外に、化粧水を使用しているのは50~60%程度で、乳液やクリームになると30%程度まで低下しました。
日常的にスキンケアをしていると答えた人の割合は70%以上ですが、多くの人が使っているスキンケアアイテムは洗顔料で、普段から化粧水や乳液、クリームなどのケアまで行っている人の割合は半数程度のようです。
メンズスキンケアには男性用ブランドと女性用ブランドのどちらを使う?
男性用と女性用、どちらのスキンケアアイテムを使っているかという質問には、全体の55.9%が「男性用ブランドを使う」と回答しています。
ただ、「女性用ブランド」「両方とも使う」と答えた人の割合も27.2%に上り、女性用ブランドの製品を使っている人も一定数いるようです。
理由としては、次のような回答が上がっています
- 「種類が豊富だから(40.0%)」
- 「自分の肌に合っているから(34.5%)」
- 「男性用よりも効果が高いと思うから(32.7%)」
- 「男性用よりも刺激が少ないから(30.9%)」
また、男性用ブランドに対する不満点では、次のような声があります。
- 「価格が高い(28.9%)」
- 「保湿力が弱い(27.0%)」
- 「製品の種類が少ない(27.0%)」
- 「肌への刺激が強い(26.3%)」
種類が豊富で自分の肌に合うアイテムが見つけやすいため、女性向けブランドを選んでいる人が多いといえるでしょう。
メンズスキンケアをはじめた理由は?
「メンズスキンケアをするようになったきっかけは?」の質問に対しては、
- 「肌が荒れてきた(35.1%)」
- 「見た目の印象をより良くしようと思った(33.7%)」
- 「肌に年齢を感じるようになった(30.7%)」
の順になっており、見た目の印象にこだわる人だけでなく、肌トラブルが動機になっている人も多いとわかります。
加齢をきっかけにスキンケアをはじめる人も多く、「顔のスキンケアをしている」と答えた人の割合が30代より40代で若干高くなっているのは、ここに理由があると考えられます。
海外男性のスキンケア意識はどうなっている?
ここまで、日本男性のスキンケアに対する意識調査をみてきましたが、海外の男性はスキンケアにどのような考えをもち、どんなスキンケアを使用しているのでしょうか。日本男性の場合と比較しながらみていきましょう。
日本は世界最低!?海外男性のスキンケア実施率はどれくらい?
今度は、スキンケア情報サイト「メンズスキンケア大学」を運営している株式会社リッチメディアが2018年に日本と海外の男性ビジネスマンに向けて行った調査をみていきます。
(参考:「20代〜30代のビジネスマンに聞く「仕事と見た目調査」 世界9カ国比較」)
このなかで、日本は「スキンケア意識が進んでいる」と思う国の第2位にランクインしています。1位の韓国も美容先進国のイメージがありますが、日本もそれに次いで、世界からもメンズスキンケア意識が高い国と思われているのです。
しかし、実際のスキンケア実施率をみると、1位は中国(88.7%)で、2位は韓国(86.5%)と続き、日本は51.3%と調査対象の9か国で最下位になっており、イメージと現実に大きなギャップの出る結果になりました。
海外男性がスキンケアを行う理由は?
なぜ日本人はスキンケア先進国と思われているのに、実際のスキンケアアイテム使用率では他の国と差が出てしまうのか、原因は、海外の男性がスキンケアを行っている理由にあるかもしれません。
「スキンケアで何を目指しているか」の質問に、日本では「異性から評価されたい(51.0%)」と答えた人が多いのに対し、海外では、
- 「社会人としてふさわしくありたい」
- 「仕事ができる男に見られたい」
- 「成功しているように見られたい」
と答える人の割合も多く、特に中国やタイ、インドネシア、シンガポールなどアジアの国々で高くなっているのがわかります。
こうした国では、スキンケアがビジネスシーンでも重要で「肌がキレイな男は仕事がデキる」「スキンケアが出世の武器になる」といった考え方があるようです。
仕事や社会的な評価にも関係するため、スキンケアに関心をもつ人が多くなっているといえるでしょう。
一方、日本では自分自身の見た目をかっこよくしたいという動機からスキンケアを行っている人が多いのが特徴です。
肌に対する「美意識」の点からみると、日本人も海外に比べて決して低いとはいえないのではないでしょうか。
韓国も日本と同じく「異性から評価されたい」の割合が最も高くなっていて、日本と韓国がスキンケア意識が高い国ランキングで上位に選ばれているのも、こうしたところが関係しているかもしれません。
海外男性がスキンケアに使うアイテムは?
次に、海外と日本におけるスキンケアアイテムの違いについてもみていきましょう。こちらは2019年にニベア花王株式会社が日本を含む5か国の男性を対象に行った調査です。
(参考:「ー世界5か国・ビジネスと男性スキンケアに関する意識調査ー ビジネスマナーとして男性スキンケアが世界の常識に!国際的なビジネスの現場で男性スキンケアの意識が向上」)
国ごとのスキンケアアイテム使用割合をみてみると、日本では「化粧水・ローション」を使用している人の割合が32.8%と最も高く、反対に、乳液を使用している人の割合は11.8%と最も低くなっています。
理由としては、日本と海外の環境の違いが関係しています。湿度が低く水の硬度が高い欧米では乳液やクリームなど、油分で保湿を行うのが一般的です。
一方、日本やアジアなど高温多湿の地域ではさっぱりした化粧水によるスキンケアが好まれます。
日本人の場合、化粧水だけでスキンケアを終えてしまう人もいますが、海外の場合は逆に乳液やクリームだけでケアをしている人も多いのです。
そのなかで、同じアジアの国である中国では、化粧水よりも乳液が人気で、スキンケアアイテムの好みが欧米と似ているのは面白い点といえるでしょう。
こんなに違う!日本と海外のメンズスキンケア事情!!
今回は、日本と海外のメンズスキンケアに対する意識を比較してみました。
最近では日本人のメンズスキンケアに対する意識も高くなってきています。
- 日本人男性の多くが日常的にスキンケアをしている。
- 20代はほかの年代と比べて化粧水やクリームを使っている割合が高い。
- 日本は海外からスキンケア意識が高い国だと思われている。
- 海外では仕事で大切だからスキンケアをしている男性も多い。
- 日本ではスキンケアに化粧水・ローションを使う人、海外では乳液を使う人の割合が高い。
なかには、海外と比べてスキンケアをしている人の割合が低い部分もありますが、これには国ごとの社会的背景も関係しているため、日本人男性の美意識自体は決して低くはないといえるでしょう。また、海外と比べると化粧水がスキンケアの中心になっているのも日本の特徴です。
こうした意識の違いは、文化や社会、風土などが大きく関係していて、国や地域によって異なっているため、今後、海外のスキンケア文化が入ってくれば、日本人男性の意識も少しずつ変わっていく可能性もあるでしょう。
スキンケアは自分の肌タイプによって異なるので、気になる方は一緒にこちらの記事で自分の肌タイプをチェックしてみて下さい!